発想仕事人モノづくり研究所blog

60数年間、世に未だ無い素材の開発と用途開発・新発想生活グッズの開発とそのマーケット開拓に励んでいます。60年に亙って創り続けてきた生活用品の数々をご覧ください。発想仕事人モノづくり研究所代表 小杉博俊©

2010年、出雲大社平成の大遷宮・「御本殿大屋根の檜皮葺を紙に抄き混んだ大社檜皮紙」

平成の大遷宮”が始まる年の5月に初めて出雲大社さんに参拝させていただきました。この時に出雲大社さんからとてもとても不思議なご縁をいただき、平成の大遷宮”で取り降ろされた御本殿大屋根の檜皮葺を紙に抄き混んだ混抄紙を出雲大社さんにご提案でき、御抄造させていただくコトになりました。

御抄造した紙は「大社檜皮紙」と命名され檜皮古材をお包みした御守り・浄掛・御幣などを企画・奉製しました。

出雲大社では"環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、また出雲大社の信仰の象徴でもある御本殿の檜皮を再利用することで、大神様の「おかげ」を皆様におわかちすることが出来るのではないか"とのお考えで、神社仏閣界としてはまれな環境CSR(企業の社会的責任)活動を実施する運びとなり、この度『平成の大遷宮』で取り降ろされた御本殿大屋根の"檜皮古材"を紙に抄き混んだ環境配慮型の「大社檜皮紙(おおやしろひわだし)」を御抄造されました。

この御抄造においては、地域の障害者の就労支援も考え、"檜皮古材"の選別やこの紙からつくられる奉製品などの組立作業を地域の障害者支援施設に委託されました。
また2010年夏開催されました「御本殿大屋根特別拝観」におかれましては、10万枚奉製させていただいた「檜皮古材を檜皮紙でお包みした御守り」が、参加された方々に記念品として授与されました。

出雲大社では平成20年4月20日より平成25年5月10日まで、御本殿を御修造する「平成の大遷宮」をお仕えしております。

(株)システムクリエイツ及び4社(王子特殊紙(株)、国際紙パルプ商事(株)、高桑美術印刷(株)、(株)中筋組)は、不思議なご縁でこの神社版環境CSR活動のお手伝いをさせていただいております。
今後「大社檜皮紙」は感謝状、色紙、祝詞紙、浄掛などに奉製される予定です。

※これまで3度の遷宮では檜皮古材は御焼納されていました。が、檜皮1tを焼納すると1.8tの二酸化炭素が排出されます。

※檜皮とは桧の立木から表皮を薄く剥いだものですが、桧の立木からはおよそ8年ごとに檜皮が採取できる上、桧自体を傷付けることがなく、環境へ影響を及ぼさない材質でもあり、古来より木造建築の最高の屋根材として格式の高い社寺など重要な建物に用いられてきました。

出雲大社https://izumooyashiro.or.jp/ 

平成の大遷宮https://www.youtube.com/watch?v=Wk7b9DacR5w

「大社檜皮紙御守り」

 

「大社檜皮紙御幣」

「大社檜皮紙浄掛」