この頃は雑貨メーカーで工業デザイナーを採用する企業などは無く、どうしようかなと考えていたら、当時アメリカのジョンソン大統領に書き味を評価され新聞や雑誌で大きく “大統領が愛用する不思議なペン”として取り上げられ、あっという間に「サインペン」人気に火が付き、更に無重力空間でもインク漏れせず書く事ができるとNASAの有人宇宙飛行計画「ジェミニ」の公式スペースペン(毛細管現象を利用したサインペンは、無重力空間でもインク漏れせず書く事ができるからだった)として採用されるなど、元気一杯の大日本文具株式会社(現ぺんてる)に工業デザイナーとして勤務していた日芸先輩の横山さんからうちに来ないかと声を掛けていただき、有難く入社試験なども無く入社できた。
横山さん
発表当時(1963(昭和38)年)のサインペン
公式スペースペン
※当時既に「ぺんてる」ブランドは有名で、面接に本社に伺ったが、お聴きした住所にそれらしい立派なビルが見当たらず散々探し回ったあげく、2階建てのみすぼらしい建物が本社でビックリした。
今は、こんなビルに!
1971年には社名を世界に通じる名称として「ぺんてる株式会社」とした。
その後サインペンを主にグローバル展開を続け、現在(2023年)では海外売上高が70%を占めている。
現在の本社ビル
1965年 (昭和40年) 現地法人ぺんてるオブアメリカ設立
入社後は宣伝部に属し、商品パッケージを担当。
ブリスター加工のコストダウンを計るべく、曲げ加工をしないで台紙に固定する方法を試みたりしていた。
※2006年の取材記事 https://www.nttcom.co.jp/comzine/no038/long_seller/index.html