1973年、王子合成紙「ユポ」
ユーモアあふれるキャラクターを描く与口隆夫さんと出会い、王子合成紙「ユポ」などを活用した様々な販促品や商品を開発・デザイン。
液晶温度計やファンシーな合成紙「ユポツイードテープ」など、
今発売したらヒット商品になると思われる程、早すぎた商品もあった。
合成紙「ユポ・YUPO」
1969年に王子製紙㈱と三菱油化㈱の合弁で設立された㈱王子油化合成紙研究所(現㈱ユポ・コーポレーション)が誕生し世界初の合成紙を開発・商品化。
ブランド名「ユポ」の命名は両親会社を含めた従業員と家族から募集したが、三菱油化株式会社(現:三菱ケミカル株式会社)の「YU」と王子製紙株式会社(現:王子ホールディングス株式会社)の「O」をPaperの頭文字「P」で結びつけるという従業員のアイディアから「YUPO=ユポ」とネーミングされた。
このネーミングにも関与した。
ユポネーミング候補リスト
初の実需としてショッピングバッグを企画・開発・デザイン。
1972年1月の上市後は用途開発に力を入れ、地図や野菜の結束テープなどを開発。
TOYOTA MARKⅡ「車体色見本」ディスプレー
白色車体ブームの終焉を予感し、ユポ合成紙を使った曲面状の色見本板を開発。
実車同様に光の陰影による色の変化を見せることに成功し、トヨタ本社に提案し製造までを受託。
※このディスプレーはトヨペット系販売店で未だに使用されている。
手で切れる「ユポ結束テープ」も開発しました。
ユポの引き裂き性を活用して野菜(ほうれん草など)の結束テープを考案。
谷になっている部分の左右を持って前後にちぎると糊部まで綺麗に切れる構成。また ボールペンやマジックで綺麗に書き込みもできます。
シートで保存できるので現場で喜ばれ、未だに販売されている。
「ユポ紙選挙投票用紙」
ユポには折った時に反発する特性があり、2つに折られた投票用紙も投票箱の中で自然と開いてしまいます。この特性が作業効率の改善に繋がると注目され、実際に開票作業時間が大幅に短縮されるようになり、その結果即日開票が実現しました。
https://hirameki.noge-printing.jp/yupo_election_211022/
※この「ユポ紙選挙投票用紙」は考えも及ばなかった。
用途開発には、現場を数多く覗き廻らないといけないと反省した次第。
「ユポリストバンド」
水に濡れても破れず、発塵性が低く耐薬品性に優れているので医療用途でも活躍。
病院で使用するリストバンドや採血管ラベルやカテーテル台紙等にも使われています。
https://japan.yupo.com/product/use/specialty/medical/
ユポの特性「低発塵性・耐薬品性・強靭性・柔軟性・開封性」を活用したコロプラスト 社の「スピーディカテナビ」パッケージ。
防災用ユポ「ハザードマップ 」
災害リスク管理に不可欠です。 防災訓練で繰り返し使用しても破れにくく安心して使えます。
緊急度を識別するタグです。 複写可能なノーカーボンのユポが使われています。
災害現場で直接治療行為を行わない「トリアージ」に専念する医療従事者は、患者の重症度や救命の可能性などを判断し、「トリアージ・タグ」に情報を記録、場合によっては簡易カルテとして活用しています。
https://japan.yupo.com/product/use/specialty/disaster_prevention/
ユポ製「ミウラ折り地図」
“ミウラ折り”は三浦公亮先生が考案した宇宙構造工学の研究に基づく、 小さな力で大きく開く折りの技術のコトです。 この研究開発によりさまざまな商品が「ミウラ折り」として実用化され、 日々活用され続けています。
通常の折りは、直線・直角に折れています。「ミウラ折り」は折り線がジグザグでひとつひとつが平行四辺形になります。 ジグザグになることで折り目が重ならなくなり、開閉時に紙に負担がなく、破けにくくなります。
この技術を商業利用として開発し、現在は会社案内・商品カタログ・MAP・観光情報・レジャーシート・サンシェードなど多角的に実用化が進み、世の中に貢献できるようになりました。
※1994年に打ち上げられた「宇宙実験・観測フライヤ」で太陽光パネルの開閉にミウラ折りが採用され、見事に成功しました。
※2005年ハーバード大学の研究チームによって、蝶の羽化前の羽など、自然界にも「ミウラ折り」が存在することが突き止められました。